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「それじゃあまた教室でね天使ちゃん」
「ん…」
学校の駐車場に駐まった車。朝涼と2人きりになれる時間は残念だけどこれで終わり。また話せるのは昼休みだ。
涼が「行ってらっしゃい」の挨拶代わりになのか、俺の額にキスしてきたから俺もキスを返す。ふわふわな髪の毛に唇を落とすと、涼の匂いが鼻を擽った。
正直に言えば涼ともっと話していたいし、一緒にいたいけど数時間の我慢だと思って荷物を持って車から出た。校舎まで一緒に行く訳にもいかないから涼と車を出るタイミングが変わってしまうのは仕方ない。
「昴流、おはよ。今日はちょっと早めだな」
「…あ、おはよ」
てこてこホームルームがある校舎へ歩いていると、ポン、と背中を叩かれた。振り返るとタンクトップにハーフパンツといかにもバスケしてる感じの服装の琉生が。朝練途中なんだろうか。
「俺この時間帯走ってるから」
「へー…」
そうだったんだ。正門から校舎にいくのと、駐車場から行くのとではルートが違う。早く来てる日もあるけど今まで琉生の存在に気づかなかったのはそのせいか。…に、してもまぁ朝から良くやる。流石に俺も体力あると言えど朝から走る気にはならない。俺だったら走ったふりしてどこかで時間潰してサボってる。
「向こうって駐車場だよな?そっちから来たってことは…椿先生のとこに泊まってた?」
「…ん」
「ふは…、相変わらず仲良いなぁ…。…あれ、またピアスつけるようになったのか?」
「え、……あっ」
しまった、忘れてた。琉生に指摘されて思い出した。涼にお揃いのピアス、2人でいるときはつけてって言われて、それをつけたままにしてたこと。一度つけてしまうと取らないといけないこと忘れてしまうなぁ…。気を付けないと。
「…あれ、外すの?」
「涼と、いるときだけ」
「嗚呼、そう言うこと」
ピアスを外して財布の中へ大切にしまう。涼といるときだけつけることにしたって説明したら理解してくれた。「椿先生にしてって頼まれたのな」と。はい、そうです。涼の頼みを断れなかったんです。だってしゅんってしちゃうんだもん。
「あ~ルイちゃんとルウちゃん早いねぇ」
「おはよ」
「はよ」
「おはよー」
今度は俺が来た方向から声。ゆっるーい喋り方と独特な俺の呼び名からして、思った通りそいつは愁だった。今日は珍しく早い…けど来た方向が正門とは逆。しかも俺が来た道。てことは駐車場からだ。…まさか、こいつ。
「バイク?」
「今日終わったらすぐバイト入ってるから時間やばそうで?」
「ううん…」
否定しない、つまり当たり。
否、良いんだけどな。バイクで来るのは構わないんだけどな、せめてもっと隠そうとしろよ。何堂々と学校までバイクで来て、駐車場に駐めてんの。教師に見られてたらどうするんだ。絶対ぐちぐちぐちぐち言われるぞ。
「あ、椿とは会ったけど見逃してもらったから大丈夫」
「それ昼休み説教コースなんじゃね…?」
「うーん…そうとも言うかも」
涼にしか会わなかったのならまだ良いじゃないか。琉生の言う通り「見つかったら俺が面倒になるだろ」とか、「もっとうまく隠せ」とか、そう言うことは言われるだろうけど、他の教師だったら絶対面倒なことになってた。次はちゃんと、こそこそっと駐めような。
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