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夕食を済ませて椿の家に戻る。
帰ってきた時にテレビでやっていた面白そうな番組を見終わったら、椿の大きい服と、コンビニで買った下着を持って風呂場へ。
「…お前なぁ…、頭少しは乾かしてから出てこい」
風呂から出てリビングに戻ると、髪がびしょ濡れ状態の俺を見て呆れるように椿は溜息を吐いた。
…何か前愁にも同じこと言われた気がする。
けど、乾かすの怠い。こん位の長さならほっときゃあ直ぐ乾くし。
だからと言って乾きにくい髪が長い時は髪をきちんと乾かしていた訳ではないが。
「せめて少しは乾かそうな?」
「怠い」
「風邪引くぞ…?」
苦笑い。そう言われても、俺風邪なんて滅多に引かないから。
1回それで風邪引いたら考える。
「…もう…、来い。拭いてやるから」
ポンポンと自身の股の間を叩き、そこに座るように促す。
大丈夫だと言っているのに俺に拒否権は無いらしい。
そこにちょこんと座ると俺の肩に掛かっていたタオルで椿が俺の髪をワシャワシャと拭いていく。
「んぅ…んっ…」
「…もー…そんな声出すな」
「だ、って耳擽ったい…ンっ…ふふ」
タオルと自分の髪の毛が耳に掠れて擽ったく、声を出すなと言われても笑ってしまう。
出すなって言うならお前が手を止めてくれ。
「…俺の理性を試す小悪魔め」
「んぁ…?」
「大好き」
「お、おう…?そうか」
わしゃわしゃと耳元で聞こえるタオルと髪が擦れる音とテレビの音でボソボソと最初の方は呟くから聞こえなかった。
文脈的に何で笑うなって所から「大好き」になったのか理解し難いが、取り敢えず頷いておく。
笑い続けて2・3分。拭き終わったのか椿の手が止まった。
俺の髪を拭いていたタオルを持って立ち上がって、「風呂入ってくる」と告げ、俺の頬に口付けた。
「先寝とく?」
「…テレビ見とく」
「了解。…寝落ちすんなよ?」
多分しないだろう。まだ10時位だし。俺こんなに早くいつも寝ねぇよ。
…とか思ってたけど、良い番組が見つからず、テレビの電源を切って静かなリビングでぼーっとしながら携帯を弄っていると、椿が風呂に入った数分後にはうとうとし始め、重たい瞼がついには閉じてしまった。
次に目が開いたのは椿の腕の中。
体が揺れ、足は地面に付いていない。ふわふわする。
「…つば、き…」
「…ん?あ、起きた?良いよ、寝てても」
「ん…」
椿は目を覚ました俺に小さく微笑むと大きな手で俺の頭を包み込むようにして撫でた。
それが気持ち良くて、直ぐにまた襲ってきた睡魔に俺は抗えず、再び重い瞼を閉じた。
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