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その週の日曜日。
俺は携帯とにらめっこをしながら盛大なため息をついていた。
状況を説明すると、愁に背中を押され、聞こうとしたところまでは良かったのだけれどまだびびってる部分ってのがあって聞けずに今に至る…って感じだ。
今日こそはちゃんと聞こう…と決意はしたのだが中々『あの女の人誰だったの』と割れながら無愛想なそのメールを送れないでいる。
ー…ああっ…!当たって砕けろだ…!!ー
数分そのメールと格闘した後、がしがしと頭をかいて、ぎゅうっ、と力一杯に瞼を閉じる。覚悟を決め、送信ボタンに指を伸ばした。
ーヴーヴー……
「っ……ビビ、ったぁ……」
押す直前に急に鳴り出すバイブレーション。心臓に悪い。
それはメールが来たのを知らせる通知で、送り主は涼であった。
俺は送ろうとしていたメールを破棄し、すぐに涼からのメールを確認した。
『俺の家の近くにカフェあるでしょ。そこに来て』
「……カフェ……?」
確かに有るには有った……気がする。
だから俺の疑問は場所についてじゃなくて……、涼がそこを待ち合わせ場所に指定してきた事。待ち合わせするとすればいつもは俺か涼の家だから。
『今から行く』
そんな疑問を抱きながら、断る理由もないので涼にそう返信すると椅子から立ち上がった。
「涼に呼ばれたから行ってくる」
「はいはい行ってらっしゃい」
ハンガーにかかっていた上着を着ながら、テレビを見ていた兄貴に外に出ることを伝えると涼に指定された場所へ駆け足で向かった。
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