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ーあー、迷子になりそう…ー
更衣室から出て、真さんからもらった地図片手に、真さんのサークルスペースに戻ってるんだけど、兎に角広い。
スペースの区切りが丁寧にも表示されているのが唯一の救い…いや、それでも迷子になりそうだ。そんくらい広い。
店番をしないといけないから更衣は俺と涼の入れ違いですることになったから助けを求めようにも出来ない。というか今頃助けを呼んでも真さんの準備の手伝いで忙しいから来れないだろうな。自力で戻るしかない。
ー無駄に広いんだよここは…!!ー
俺の地元でこんな広い場所ないから、それに慣れてないから迷子になりそうってのもある。というか迷子になりそうな理由はほぼそれだ。東京って怖い。
「きゃー!!昴流くん可愛い!!帰り遅かったから心配したのよ」
「…迷子になりかけてました」
「迷子!!可愛い!」
「えぇ…」
なんとか戻ってこれたときには、スペースを飾り終えたのか2人は椅子に座ってのんびりとしてた。
迷子になりかけたのを可愛いと言われたのは泣いても良いだろうか。仕方ないでしょ、イベント関係なしでこの場所自体に初めて来たんだから。
「…これ、本…?漫画…?真さんが描いたんですか?」
「そう!」
「へえ…」
簡単に作られた棚に置かれていたのはグッズが少しと薄い本…所謂同人誌ーこのくらいは分かるーが2種類。その2種類とも俺と涼がしているキャラが表紙で、可愛らしい絵。
「あ、読む?」
「え、いや売り物だし…」
「良いわよ良いわよ出してんのサンプル用だから」
「…そこじゃねえだろ問題は……」
感想が欲しいってよりは俺の反応が楽しみって感じだった「読む?」に涼が呆れて溜め息を吐く。
何か問題でも有るのか、と俺は疑問を抱きながら本を捲って読んでいく。
数ページ捲って涼が言いたかった意味がやっと分かって、そこに描かれているものに顔に熱が集まっていった。
「し、して……ッ、」
……つまりそういう系の同人誌で、上が兄の方で下が弟。…兄がその、今の涼を絵にした感じで…、その内容に余計に意識してしまう。…多分、上が別の人だったら普通に読めてたと思う。
「っぷ…、ははッ、いやー昴流くん期待を裏切らない可愛い反応!」
そして、それを真さんは狙ってたわけで。…もうやだこのドS兄妹、泣きたい…。
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