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「お疲れ、惜しかったな。」
「それ言わんといてくださいよ。京介センパイ。」
「まぁいいじゃねぇか。青には後で勝つんだ。
閑流も燃えてる。」
「八草先輩??なんでですか??」
「まぁ3年にも3年の事情があるんだよ。まっ、どうせ衿夜と走るのは俺なんだけどな。」
本来ならいるはずの八草先輩がいないからまた京介先輩一人に迎えられる。
惜しかったなとか言ってるわりにはめちゃくちゃ笑顔ですけどね。先輩。
京介先輩が色別リレーで走るであろうアンカーには、橘木先輩と八尋先輩がいて。
本当ただのバスケ部対決なんじゃって風に思える。
「京介先輩と衿夜先輩やとどっちが早いんです?」
「同じくらい。……正確にはコンマ何秒か俺の方が遅いな。」
「えー」
「えーとか言うな。お前らが頑張ればいいの。」
「そりゃそうっスけど…まっ、期待してるんで、京介センパイ!」
「ははっ、まぁそれなりに頑張るけどな。」
爽やかに笑う京介先輩は、だけど急に真剣な顔で違う場所を見つめる。その先には八草先輩がいて。
その理由は俺にも、久夜にも分からなかった。
「久夜、」
「ん?なんや」
「久夜、色別さっきと同じ順番?」
「あぁ、せやな。同じやと思うで。」
「そっか。頑張ってね、応援してるから。」
「谷地島と?」
「うん。谷地島と。」
「そら尚更勝たんとなぁ。」
ちょっとしんどそうな、ちょっと楽しそうな、そんな風に笑った久夜もまた、何を思ってるのか分からない顔でグラウンドの真ん中の方を見ていた。
そこは放送席の近くで、その近くを彼方と久我君が歩いてた。
「久我、まさかな。」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない。そろそろ棒倒しの召集かかるな。」
「いってらっしゃい。」
よいしょ、って言いながら立ち上がると、久夜は何も言うことなく、スタスタと召集場所へ向かってしまった。
……珍しい。
谷地島も棒倒しには参加するから、また後でと言っていなくなる。
俺はスウェーデンリレーを1人なんとなく眺めながら、棒倒しが始まる頃に、千先輩との待ち合わせ場所に向かった。
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