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遠くで昼休みが終わるチャイムが鳴る。
ここは普段からあまり使われていないから放送系列すべてが切ってあるらしい。遠くで鳴り響くチャイムと喧騒をおとなしく聞く。
溢れてきた涙を乱暴に拭って立ち上がる。
もうそろそろ移動しないと講義に間に合わない。
本当はこのままここに隠れて世界から引きこもってしまいたいけれど。
どうやら学生というものは時に理不尽で。
次は出席重視だからそうそう休めない。
ーーーーーーーー消したくて。でも消えなくて。そしてどこかで消したくないと思う。
こんなにめんどくさいものを抱えながら俺はこの先も生きていくのだろうか。
柏葉に近づけなくても、彼の隣が俺ではなくても、それでも俺は、この気持ちは正真正銘俺だけのものだと思うから。
矛盾してても何でも抱えたままでいたいんだ。
彼の視界に入らないように気をつけるから。
ーーーーだからもう少しだけ君を目に映すことを許して。
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