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第1話-11 2日目3 ゲール兄弟
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志乃は2階の、ある部屋に連れてこられた。
部屋に入ると2人の男がおり、志乃を連れてきた男たちは頭を下げて出て行った。
部屋にいた2人の男のうち1人は、目つきの鋭いスキンヘッドの男だ。もう1人は長く艶のある紫色の髪を腰のあたりで緩く束ね、口元に笑みをたたえ優しげな面差しをしている。
2人とも目の色は深い紫で、大きな男だがスキンヘッドの方が長髪の男より一回り以上大きい。
そして、2人とも無駄に容姿が整っており、顔の印象こそ全く違うが何となく所々のパーツは似ているように感じる。
『お前、名前は何というの?』
警戒を露わにする志乃に長髪の男が笑んだ表情のまま語りかけ、志乃が首をかしげるとその笑みを深くした。
『グスタ。どうやらこの子は聞いていた通り、言葉がわからないようだね』
『言葉なんて関係ないだろ?兄さん』
『そうだね。奴隷市の日までに仕上げる約束だ。早速はじめよう』
何やら2人で話すと部屋の奥のベッドのところまで連れてこられた。
そして急に突き飛ばされたかと思うと、ベッドに転がった志乃をスキンヘッドがうつ伏せに押さえつけ、長髪の男がジャージのズボンと下着を脱がせようとする。
すると、悪い予感を覚えた志乃が何をするんだ、と足を動かして激しく抵抗した。
両腕は後ろに堅く固定されているし、スキンヘッド男が押さえつける力は強い。
しかし、この良からぬ状況が進むのを阻止したい。
『兄さん、こいつ暴れようとするから一発殴ってもいいか?』
『うん。これからのことを考えると、聞き分けが良い方が好都合だからね。構わない』
すると、スキンヘッド男が志乃の上半身を片腕で持ち上げると、もう片方の手で志乃の顔と腹を殴りつけた。
大男の拳を食らった志乃は、瞬間、意識を飛ばした。
「げほっげほっ…」
志乃は自分の絶対的不利を自覚した。
スキンヘッド男は手加減していた。
そうでなければ、顔面破壊、腹もあばらを何本か確実に折られていたはずだし内臓も無事ではなかったはずだ。
一通りの武術に精通している志乃は、自分より大きい男、力の強い男と渡り合った経験は数え切れないほどだ。
しかし、今は両手が使えない上に2対1と明らかに分が悪い。
志乃は冷静な男だ。
顔と腹の痛みに耐えながら、これから行われることに大人しく従うのが得策と考えた。
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