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大切な存在
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俺たちは1限目が終わってから教室に戻った
それから授業を受けて、あっという間に放課後になった
「……バイトでもしようかな…」
「え、なんで……」
「……なんとなく?」
「葵は無理し過ぎると頭痛くなったり吐いたりするだろ…」
「……たまに…」
確かに…小さい頃からちょっと体が弱い方だった
風邪とかには強いんだけど、偏頭痛とかたまになってたな……
今もたまになるけど………
「…朔斗は将来なにになるかとか決めてる?」
「んー……特に…」
「……だよね…」
俺、将来なにしてるんだろうな……
来年には進路も決めないといけないのか………決まるかな……
「葵、本屋寄ってい?」
「あ、うん」
駅の近くの本屋に寄る
朔斗は小説のコーナーに行き、本を見ていた
小説か……朔斗から借りたりしてたまに読むけど…自分では買わないな………
本が嫌いなわけじゃないし……っと言って、朔斗みたいに買いたいほど読みたいというわけでもない…
今度、久々に朔斗に借りて本読もうかな
朔斗は一通り小説を見終わり、雑誌コーナーへ行きパラパラっと見て小説と雑誌を持ってレジで会計をしていた
「……おっけー、帰ろ」
「うん…なんかいいのあった?」
「おう!」
「家帰ったら、小説借りてい?……なんか久々に読みたくなった…」
「おう、じゃおもしろそうなの貸すな」
「ありがと!」
家までは他愛ない会話をしながら帰った
「「ただいまー」」
いつもなら、母さんから返事が返ってくるけど今日はなにも返ってこない………
母さん…どっか行ってるのかな
「……なぁ、葵…」
俺の部屋で、俺は雑誌、朔斗は小説を読んでいたけど、いきなり朔斗が話しかけてきて
「…ん?なにー」
俺は雑誌を見ながら朔斗に返事をする
「……葵のこと好きって言ったのに…その……気持ち悪いとか思わねーの…?」
………なんかいつもの朔斗らしくない…
俺は朔斗の方を向いてはっきり言った
「思わない」
「……なんで?」
「…なんで、か……んー…俺は別に男同士とか女同士とか偏見ないからかな……あ…でも、兄弟は問題あるのかな…?…俺は兄弟としてしか朔斗のこと見たことないから恋愛で好きって言われてあんまりピンとこないし……なにより、朔斗のことは誰よりも大切だよ。それは絶対これからも変わらない。だから、気持ち悪いなんて思うわけないよ」
俺は、なんか質問の答えになってないな、あはは……付け加え苦笑いになる
「ばか葵………そんなこと言われたら諦められねーじゃん…」
「……え、朔斗泣いてる…?」
「……泣いてねーよ…」
……明らかに泣いてる………
ど、どうしたらいいんだよ……
「……朔斗………」
「泣いてねーよ……!」
朔斗は壁の方を向いて、こっちに背中を向けている
……なんで強がるかな…ほんと意地っ張りだなー……
俺はベッドに腰掛け、朔斗の背中に自分の背中をくっつけた
お互い、無言で…朔斗の鼻をすする音だけが響いていた
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