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これも、二週間前からだ。
瀬戸君が僕より早く学校に来るようになってから、毎日こうやって抱きしめられて、放課後の予定を耳元で囁くように聞かれる。
そろそろ慣れてもいい筈なのに……僕はちっとも慣れなくて、こうしていつも緊張して固まってしまう。
「戸波……ダメか?」
もう一度、確認を取る様に囁いてきた瀬戸君の声に、やっと反応出来た僕は、首を横に振って返事をする。
「……そっか、良かった。じゃあ、今日も一緒に帰れるんだな?」
そう、『今日も』なんだ。
二週間前からずっと、こうして毎日一緒に帰れるか確認を取ってくる瀬戸君。
それに僕は、一度も断った事は無い。
だから、毎日一緒に帰っている。
こう見えても僕は、一応クラスの副委員長を任されている身なので、会議がある日は、遅くなる。
流石にその日は、何も予定がない瀬戸君を待たせるのも悪いから、断ろうとした。
けれど、瀬戸君からは『大丈夫、待ってるから!』と、一言で返されてしまった。
だから、僕もそれ以上何も言えなくなっちゃって……結局、会議の日は終わるまで待って貰っている。
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