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僕の楽しみ1
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…僕は最近、17時30分になるのが楽しみである。
ここは僕が両親が経営していたお店をリフォームして新しくしたケーキ屋である。3年前にとある有名なスイーツ店を辞めて独立しようと両親に相談したら、両親も引退をしようと思っていたらしくあっさ利と俺にお店兼自宅を渡し、2人仲良く田舎へ引っ越したのである。
どうやら、畑仕事に憧れを持ったらしく今では結構な量の野菜を毎月送ってくる為、どうにかスイーツに出来ないか試行錯誤中なのである。
話は変わるけれど、最近の悩み、というか冒頭の楽しみだけれど、17時ぐらいからそわそわしてしまう…仕事中なのに。それから、10分前からは入り口が気になって目の前にお客さんがいてもチラチラと見てしまう…仕事中なのに。
『カランカランッ』
自分がお店を構える時にたまたま入ったアンティーク雑貨店で一目惚れして、ない金をかき集めて購入したドアベルが鳴った。時計は17時30分を指していたが、僕は見ていなかった。
丁度、ケーキのショーケースを拭いていたのでお客さんに背を向けてしまっている。…しまったと思ったがしょうがない。
「いらっしゃいませ!」
とびっきりの笑顔で迎えてやろうと半ばやけになりつつ立ち上がり、勢い良く振り向いた。すると、いつもの表情の彼…名前は新堂さん。
170センチの僕が軽く上を向くほどの身長の持ち主でたぶん、190センチほどだ。それから、常に無表情。最初はちょっと怖かったけれど、最近ではなんだか可愛くとか思っちゃうわけで…。
「今日もイチゴのショートケーキですか?」
カウンターに戻りながら、ショーケースを見ると、お目当てのケーキがないことに気づき、そろっと彼の表情を伺うと、ほんのすこししょんぼりした様に見える。
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