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ギルドの受付け内に入り、さらに奥のドアへ向かう。
一般人では中々であろう場所に簡単に入っていく。
「ここ入っていいのか?」
他の人達の視線が痛い。
ギルドマスターが直々に通してくれたので心配はないと思うが、他者からの不躾な視線が気になる。
「構わん。この先にあるのは医務室だけだからな。」
紫桜が指差した先のドアのプレートには確かに「第五医務室」と書かれていた。
紫桜は言いながらその扉を3回ノックした。
「はい…どうぞ?」
中からは扉越しにでも分かる程、透き通った声が聞こえた。
許可を得た俺達は、部屋に入り、直ぐに扉を閉める。
「珍しい客人ですね。何かありましたか?紫桜様」
中に居たのは、筆舌に尽くしがたい程美しい人だった。
肌は雪の様に白く、珍しい銀髪は光を反射して様々な色を映している。
対して瞳は、鮮やかな、しかし何処か影を落とした様な翡翠色だった。
美しい白に唯一加えられたその一点が、誰をも魅了した。
「…ファンが多いって理由がわかった気がする。」
「何鼻の下を伸ばしてるんだ。気色悪いぞ。」
紫桜が何故かムスッとしながら脛を蹴ってくる。
「別に伸ばしてないだろ」
「いひゃいっ!」
お返しに頬を引っ張ってやる。
餅のようで触り心地が良い。
「…私はここで医師として勤務しております、雪と申します。」
2人のやり取りに驚きながらも一礼した雪の動作は、どれをとってもやはり綺麗だった。
紫桜を様付けで呼んで居たし、王子だと知っているのかも知れない。
「あ、俺は…えーっと、四悠です。よろしくお願いします」
自分の身元を言って良いのかわからなかったので、とりあえず名前だけ告げる。
ステータス見ておけばよかったな。
「はい、よろしくお願いします。」
差し出した手に重ねられたそれは、驚くほど冷たかった。
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