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僕達の嘘
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長い長い廊下を早歩きで歩いた。
床は大理石でできているため、革靴のこつこつという音が廊下に響く。しかも、今は授業中の為この学園には俺達しかいないような感覚に囚われてしまう。
俺は双子に尋ねた。
優人
「大変なのことが起こったって、なんなんだ?」
すると双子は足を止め、こちらを見つめてきた。
彩星
「実は…」
彩月
「その…」
俺はごくりと唾を飲んだ。
彩星・彩月
「「嘘なんだ~~!」」
優人
「は?」
彩星
「だーかーらー!大変なことが起こったっていうのは真っ赤な嘘~」
彩月
「山崎くんを呼び出したい一心で嘘ついちゃったってこと~」
人差し指をほっぺにあて、ニカッと笑っていた。
その後に二人同時に手を組みらんらんと周りだし、歌を歌い始めた。傍から見たらドッペルゲンガーを見ているようだった。
優人はそんな二人を無表情で見ているだけだった。自分が馬鹿馬鹿しく思えた。
優人
「…呆れた。教室に戻る」
そう告げて、優人は教室へ歩いていった。
毛ほども関心をもっていないような感覚が、背中から伝わってきた。
彩星
「僕達は山崎さんとお話がしたかっただけなのにねー~…」
彩月
「なんでいつもこうなっちゃうんだろ~~」
先程とは打って変わって、月宮兄弟の表情は違っていた。
悲しい眼差しを空に浮かべ、またどこかへ二人で歩き出した。
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