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保健室
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重たい瞼を薄らと開けると最初に見えたのはシャンデリアだった。光は抑えられているものの、チカチカして頭が痛くなる。
…どこだよここ…。
屋上で倒れたまでは覚えていたが、そのあとどうなったかが思い出せない。学校の敷地内なのか。
見渡す限り置いてあるものといえば花瓶とタンスだけで金持ち校としてはあまりにも地味だ。
ゆっくり体を起こし目をこする。目元が微かに濡れていたことに少し笑ってしまった。
あの人の顔を思い出すだけで涙が溢れてしまいそうになってしまう。
先程よりも強く目をこすり自分の頬をぱちんと叩いた。
少し痛くて、でもなんだか変われた気がして嬉しかった。
枕の横に置かれた眼鏡をかけ、そとへの扉を探した。
壁と色が似ていたので少々戸惑ったが、なんとかそとへ出ることができた。
先程の部屋と打って変わって雰囲気が違っていた。
薬の匂いと花の匂いが混ざりあって落ち着く香りだった。ほんのり暖かい部屋に頬が少しばかり赤くなった。
「どう? 具合。大丈夫? 」
部屋の奥から落ち着いた男性の声が聞こえた。長い髪を後ろで縛り白衣がよく似合っていた。
優人
「はい。……あの、ここって」
「保健室だよ。あんまり来る人いないからね、見たことない部屋だっていう人がほとんどだよ」
大人しい声でそう答えてくれた。
優人
「はぁ、そうですか…」
どこか裏がありそうで無いようなこの人に、少し警戒心をもった。
……というか。俺の場合ただの人見知りか…。
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