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平凡な毎日
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昼食を済ませたら午後の授業。
周りを見渡せば教科書を顔の前に立てて寝ている生徒がちらほらといる。一般人の集まるBクラスとはいえ、無事卒業出来るか不安でないのだろうか。
ちなみに、今は古典の授業中。
いつ"雷"が降ってもおかしくはない。
「授業中に寝るなぁ!! 」
ほら、やっぱり。
寝ていた生徒は、肩をびくつかせて驚いた顔で前を見た。幽霊でも見たかのように顔を真っ青にさせ、やばいと小さく呟いた。
古典の中畑先生は一般教師の中では一番厳しい。
Bクラスの生徒のほとんどが怖がって嫌っているといっても過言では無いだろう。
が、俺は案外好きだ。
確かに厳しいが、授業内容はよく頭に入ってくるし、読者仲間としてはとても気が合う。よく俺におすすめの本を紹介してくれたりと、優しい一面もある人だ。
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キーンコーンカーンコーン
「ちゃんと復習をしておくように。それと先程寝てた里岳来い」
中畑先生は少し曲がった腰を叩きながら、教室を出ていった。
「俺絶対死んだわ~……」
「どんまいどんまい」
青い顔をしながら教室を出ていく生徒を、何の興味のない優人は、馬鹿だろと声には出さずに見つめていた。
……部活行ってすぐ帰ろ。
引き出しに入っている教科書やらを鞄に詰め、教室をあとにした。
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優人
「失礼します」
園芸部と書かれた薄暗い教室に入り、じょうろを手に取った。
そのまま奥へ進み、木製でできた扉を開けた。
一番最初に目に入ってきたのは薔薇園だった。
綺麗に咲き誇り何一つ枯れているものはなく甘い香りが漂う、まさに極楽の地。自然の香りが優人の鼻をくすぐる。
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園芸部専用の花壇の水やりが終わり、じょうろ元の場所に戻しすと、優斗は花壇の前に座りんだままじっと花を見つめていた。
冷たい風が優人の髪をなびかせた。
薔薇に手を伸ばすとちくりと痛みが走った。近くにあった別の薔薇のトゲに手の甲をかすってしまった。血が少し溢れている...。
優人
「不吉」
なんてことないことに不吉と名付ける優人に、これから始まるもっと不吉で異常な非日常を予想できただろうか。
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