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「じゃあ…キスして、それで諦めるから」
「ごめんね、俺は特別な人としかできない」
そのあとも名幸は泣いている真野のそばで声をかけてくれたけど、真野の耳には入らず『でていって!』と酷い言葉を浴びせてしまった
気づいた時には名幸はそばにいなくて真野は静かな教室に1人取り残されていて…熱くなる目頭をおさえ先程まで名幸がいた窓のそばに立った
(名幸君は優しいから…付き合ってくれなくてももしかしたらって期待したけど)
はしたないお願いをした上にきつくあたってみっともない、もう恥ずかしくて名幸に近づけないと顔をうつむかせれば…名幸と手を繋いで一緒に下校している菜々陽の姿が見えた
(………)
菜々陽をうらむのは筋違いだとわかってるけれど、菜々陽がもっとしっかりしていれば名幸が手を焼くこともなく恋人を作る余裕を持てていた可能性があったはずなんて考えてしまう
(大切な人があの子なのは明らかだけど…弟だからって意味で…まさか、兄弟で付き合ってるわけじゃないよね?)
真野との話が終わり名幸が昇降口へいくと妙に靴を履き替える人たちがもたついていたりして混み合ってるので何事かと思いきや、菜々陽が壁にもたれてぼーっと突っ立っていた、先に帰っていいと言ったのに待っていてくれたのかと名幸は驚いたけれど嬉しい
「菜々陽おまたせ、帰ろうか」
「!おにいちゃんっ、かえろっ!」
名幸に声をかけられると菜々陽はつまらなそうな表情から一変してぱぁっと笑顔を見せたので、菜々陽を観察していた人達はポッと頬を赤くして持っていた靴を落としているものも何人かいる。
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