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トイレにいたはずなのに、ベッドの上。
パジャマをいつの間にか着替えている。
あれは幻覚なんかじゃなかったのだと実感する。
きっと、昼休みだったから様子を見に来たとかそういうことだろう。
枕元に置かれた携帯がぶるりと震えて手に取る。
はるま:
帰りにまた寄るから大人しくしとけよ
また体調悪化しそうとかだったら無理するなよ
メッセージでも電話でもいいから
キツイ時は俺を頼れ
学校なんてサボっても問題ねぇんだから
4件のそんなメッセージ。
それを見て少し笑った。
本当にお節介。
学校なんて、ってサボったらさすがに問題あるわ。
うざいけど、ほっといて欲しいけど、誰もいないこの状況だとそれがとても愛おしく感じてしまう。
『大丈夫。気にすんな。
そして、来なくていいから。』
それだけ打って返す。
体調の悪さは気が付けば良くなっていて、ふと目を枕元の棚に向けるとお粥が目に入る。
折角、母親が作ってくれたものだし、それに、何か食べてないと遙眞にも怒られるだろう。
そう思ってと蓮華を持って口に含む。
水気を全て吸ってべちょべちょ。
冷たくて全然、美味しくない。
それでも噛めば甘みがあって気持ちだけは感じとれる。
知ってはいるんだ、優しさがあることくらい。
でも、時に優しさが痛いってことも分かって欲しい。
三口目。体調が良くなったといってもそれが俺の限界だった。
飲み込みづらく感じたそれを水で無理やり流し込むとごくりと飲み込んだ。
無理やり飲み込んだから目には涙が溜まってる。
苦しくなる前に眠ってしまおう。
また、波が来る前に。
蓮華を盆に戻してはぁと溜息を吐くとベッドに再び横になる。
軽くお腹をさすって目を閉じる。
目が覚めた時、蘇らせてしまった気持ちの悪さがなくなってますように、とそう願って。
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