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兄はいつも優しい。
でもそれは、俺がちゃんと兄の目の届く範囲にいて、いい子でいたらの話だ。
「今日もちゃんと7時前に帰って来たね」
「うん」
「でも、なんで帰る前に友達の家に俺に連絡もなく行ったの?」
「あ、ごめん…」
しまった。
兄に行く所を事前に連絡するのを忘れた。
俺の行動を全て知っていないと気が済まないらしいから、機嫌が明らかに悪くなってしまった。
「ごめんじゃなくて、理由を聞いてるんだけど」
兄の地雷がほんとに見極めるのが難しい。
というか
「……あれ…?なんで、まむ…友達の家にいたの知ってるの?コンビニの事も」
すると、兄は俺の頬をするりと撫でる。
少しくすぐったい。
「そういえば、帰ったら話すって言ったね」
今日は父さんも母さんも帰りが遅いから、ゆっくり話せるね。
笑っているのかいないのかわからない顔をした兄がそう、優しく、囁くように言った。
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