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例えばの話。8
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sideP-P
「……ねぇ、つわはすさん」
僕はゆっくりと顔を近づけた。
握っている手から緊張が伝わってくる。
目の前の顔は手を繋いだ時みたいに真っ赤だった。
例えば、僕が君を好きだったとして。
……好きだったなら。
「もっとドキドキすると思ったんだけどなぁ」
ぱっと手を離した。やはり勘違いだったようだ。
もし僕が君を好きだったなら、目の前の君みたいに
どこか嬉しそうな、期待したような顔になっていたはずだもの。
「ぴ、ぴーちゃん…?」
おずおず、とつわはすさんが声をかけてくる。
僕は返事をせずに顔を背けた。
「家、帰ろうか」
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