アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《再会》22
-
メモとペンを持って2人はベランダへ出る。
すでに夜8時を過ぎていてあたりは暗くなっている。
出てみて、みずきは驚く。
「これは…」
ベランダの外側一面に硬い網が張ってあった。
「飛び降り防止につけてあるんだって、今まで誰か飛び降りようとしたやついるのかも」
フミヒコの束縛が嫌で…
「全部屋についてるのか?」
「ううん、オレの部屋の階だけ、最初逃げれるなら逃げようと思ってたからそういう納得してない奴を入れるみたいだなこの階は」
そう話しながら…
『だから盗聴器とか盗撮カメラとかついてるんだこの階の部屋全部、あ、カメラは浴室と寝室にしかないから安心して』
持ってきたメモにそう続けて書くアキラ。
「精神病院以上だな」
父親も薬物とアルコール依存で精神科に入院しているが、監視の仕方などが重度な患者がいるところと似通ってる。
『カメラまで、最悪な野郎だなアイツは…』
そうメモに付け足して書くみずき。
「はは…」
『ベランダは盗聴器やカメラはないけど外にひらけてるから会話聞かれるかもしれないから一応注意してな』
アキラはメモに書いて注意を促す。
「……」
頷くみずき。
『どちらにしろフミヒコに感づかれたら全て先回りされてしまうから、オレをここから助けようなんて不可能に近いと思うけど?』
筆談で会話し始める2人。
『それでも助けたい、まずは会話もろくに出来ないこの環境から抜け出したい』
アキラを助けるために来たのだから。
『じゃ、さっきのみずきが言ってた散歩作戦でどこまでいけるか試してみる?』
成功の可能性は限りなく低いけど…
「……」
真剣に頷くみずき。
アキラを助けるまで諦めない。
アキラはそんなみずきを見て微笑み頷く。
『じゃ作戦詳しく考えて書くから覚えてな』
みずきとここから抜け出すために考えた方法、2人で確認しあい作戦を作っていく。
真剣なみずきとは違い。
アキラはどこか楽しんでいる様子も見せる。
フミヒコのことだから、いくら逃げたっていずれ捕まる。
でもみずきと2人で試みる脱出作戦。
その過程もアキラにとってはみずきとの大切な思い出になるから。
《再会》終了→《2人の脱出作戦》に続く。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 149