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《急転》14
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アキラが入院して二日目、みずきは仕事帰りにアキラの様子を見に病院へ来る。
「……アキラ」
昨日と変わらぬ痛々しい姿…
「あ、こんにちは鈴鹿さん、よく来て下さいました」
そこへ健次がやってくる。
「アキラは…」
「まだ薬の調整中ですので目覚めないと思いますが、ゆっくりしていってくださいね」
健次はアキラの体位をかえながら教えてくれる。
「はい…」
昨日と同じ答え…
薬の調整が終わるまでは呼吸器は外れない…
「少し吸痰しますね、計器が少し乱れますが驚かないでくださいね、すぐ戻りますから」
健次は微笑みながら、みずきにそう伝える。
「キュウタン?」
「はい、喉に痰がたまって窒息しないように定期的に管を入れて痰を吸引して取る処置のことです」
「窒息…」
「アキラは意識がないため自力では去痰できないので、こちらで介助します」
健次は人工呼吸器の本体を少し操作し…
「アキラ、ちょっと苦しいけどごめんね」
健次はアキラに語りかけながら、吸引器を作動させ、吸引チューブを眠るアキラの口へ…呼吸器の奥へ入れている。
すると呼吸器の本体のランプが赤く点滅し始め、アキラに繋がっているモニターも乱れ始めた。
「アキラ…」
みずきは心配になりつい名前を呼んでしまう。
「はい、大丈夫ですよ」
処置を終え、再び呼吸器を操作して、振り返りみずきに伝える健次。
「あ、はい…」
昨日から、はじめて目にする光景ばかりで、アキラの置かれている状況を受け入れるのに精一杯なみずき…真剣な表情で頷く。
「いつもありがとうございます」
そんなみずきの様子を見て、健次は次の作業をしながら気遣うように声をかける。
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