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「すみません。あの……絵画科の女子が、普段イケメンに縁がないもので騒がしくて……」
その言葉にふわりと笑った輝を見て繭は、腰が抜けそうになった。それもそのはず、櫻木輝と言えばイケメンという言葉の前に「無愛想」か「冷酷」がつくのは女子の間では常識だからだ。だからこそ笑った輝に驚いていると、逆に不思議な顔をされてしまった。
「あ……すみません。楓君の居場所でしたよね、櫻木さんって楓君と知り合いなんですか?」
「いや、知り合いではないんだ。数日前に偶然廊下でぶつかって、佐藤君が物を色々落としてね。ちゃんと拾ったと思ったんだけど、これだけ拾いきれていなくて……」
ーー廊下でぶつかってからの展開何それ、何の漫画。美味しいです、ありがとうございます。なんて言えるか!
「…………それでこの絵で楓君だと分かったんですか?」
「いや、結構探すの苦労したかな」
ーーうわー、また笑ったー! 本日、小林繭は櫻木輝からの笑顔攻撃により召されました。皆様さようなら……ってまだ死ねない!
「そ……そうですか。楓君なら多分お昼はいつもこの廊下の突き当たりを右に曲がって、まっすぐ行った先に裏庭に出られるドアがあるんですがそこにいると思います」
「詳しく教えてくれてありがとう。そういえば君の名前は?」
「小林繭です。こまゆって呼ばれてます」
「同い年なんだから敬語はいいよ。こまゆちゃん、ありがとう」
ーーこれは夢かな。今、イケメン様はなんと言ったのでしょうか……。「こまゆちゃん」って言った? 召されたら良い感じの幻聴が聞こえるの? そうか、ここは天国か。それなら聞きたいこと何でも聞いちゃおう!
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