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何度かの軽いキスで楓が落ち着いてきたのを見計らって、服の裾から手を入れ腰をそっと撫でる。まだ知らない場所を触られると、体をくねらせ反応する姿がたまらない。互いの服の厚みさえもどかしくて何もまとわず肌を重ねせたくて、断られるのを覚悟の上で脱がせていいかと聞いてしまった。それなのに「輝も一緒に」なんて、頬を染め受け入れてくれるから気持ちはどんどん加速する。
先に輝が自分の上着を脱ぎ捨てたあと、まるで壊れものを扱うように楓の寝間着に手をかけゆっくり脱がしていく。その露わになった上半身を見て、息をするのも忘れそうになるくらいの衝撃が走った。抱きしめた時から華奢な体だとは思っていたが、シミひとつない白く透き通った美しい体に目眩がする。
「そんなに見ないで……僕の体、変だよね。気持ち悪い?」
「その逆だよ……綺麗だ…………」
キスすら経験がなかった楓だ。ということは、この体に触れた人もいないはず。そんな汚れを知らない体にはじめて触れる人が、本当に自分でいいのだろうか。嬉しいはずなのに、汚したくない気持ちが伝わってしまったのか楓が両手を広げ輝を導いた。その手を握ると不思議と不安はなくなり、楓の細い体を抱きしめることができた。隙間なくぴたりと肌を重ねると、温かくて柔らかくてこんなにも人に触れて「幸せだ」と思える日がくるとは思わなかった。
楓の方は相変わらずはじめてづくしなことばかりで、自分とは正反対な輝の逞しい体にときめきもうしばらくこのままでいたいと願った。
心音を互いの胸に響かせ抱き合い、輝は楓の甘い香りに誘われ堪らず首元に顔を埋めキスを贈る。それに楓は輝の髪を優しく撫で、キスをされるたび体を揺らし吐息を漏らす。どんどんキスは鎖骨から下へと流れ、小さな乳首の周りをくるりと舌先でなぞられると、はじめての感触に今までより高い声が出てしまい、自分の聞いたこともない甘い声に驚き咄嗟に口元を手で押さえてしまった。
「俺以外誰もいないから、もっと声聞かせて……」
楓の両手をシーツに押さえつけ桃色に潤んだ乳首に吸いつくと、また蜜より甘い声が静かな部屋に響いた。
「あっ……やっ……やぁ……吸っちゃ……や……」
こんなにも愛おしいなんて。こんなにも綺麗だなんて。楓の声を聞くだけで、輝は自分が欲に溺れていくのが分かった。
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