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15話 sideP
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「ありがとうございました!」
先輩との試合が終わった。
結構ギリギリだったけどなんとか勝てたし安心安心…。
さて、れとさんとこ戻ろ。
別れる前にれとさんといた場所へ足を進めた。
そこには案の定れとさんがいた、のだが。
「……」
曲がり角のぎりぎりのところ。
部活の道具やら植物やらがあってよくは見えない。
だがなんとなく認識できた。
れとさんとつわはすさんが楽しそうに話している。フェンス越しに。2人で。
「あれ、ぴーぴー!おかえり!」
れとさんはこっちに気づいた様子で近寄ってきた。
先程までの思考が頭の中でぐるぐるしていた。
笑顔でただいま、と返す。
そのまま口を開いた。
「……なんで、つわはすさんと話してたの?」
いつも通りの声色で言えただろうか。
声は震えていなかっただろうか。
……何故こんなに緊張しているのだろうか。
「え?あ、なんか途中で見に来たんだよ。きよ君と」
その言葉を聞いて影になっていたところを覗く。
先程まで見えなかった位置にきよ君がいた。
それを目で確認して、安堵のため息を漏らした。
僕が動いたことで残りの2人もこちらに気付いて手招きしている。
「そうだったんだ、ありがと」
そう言って僕はフェンスの方へと向かった。
れとさんも後からついてくる。
つわはすさんやきよ君にすげぇな、とかおめでと、とか何故か褒められる。
先程までのもやもやは無くなっていた。
なんで、あんなに嫌な気持ちになったんだろう。
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