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10話 sideR
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「また負けたぁ……」
ごと、とゲーム機を置く。
目の前にはYOUR LOSEと記されたゲーム画面。
そして隣には……むかつく顔をしたぴーぴー。
「れとさんゲーム弱くない?」
要らない一声をかけられ べし、と軽く叩く。
先程軽く自己紹介をし合った時に言われたが本当に腹立つなこいつ。
といっても変なあだ名で呼べ、と言われたのだが何故か俺にもあだ名をつけられた。
俺が好きなキャラクターの名前。レトルト。
そして長いかられとさんって呼ぼう!って略された。
「な?この顔めっちゃムカつくでしょ?」
キヨくんに同意を求められる。せやな、と真顔で返す。
結構人見知りな俺だがここまで仲良くなれたのは初めてだった。
なんだろう、なんか、馴染みやすい。
よく分からなかったが居心地は悪くなかった。
「あ、そろそろ帰んなきゃじゃない?」
つわはす君が時計を見ながら言う。
その手には先程ぴーぴーが食い散らかしたお菓子のパッケージが握られていた。
つわはす君はこの数十分で分かる程とてもしっかりしていて面倒見がいい性格だった。
ゲームの時何回も褒めてもらったり励ましてもらったりもした。
「んじゃあ今日はそろそろ帰るか?」
ゲーム機を片付けながらキヨくんが言った。
ぴーぴーはマイペースに自分の上着を着ていた。
もう帰る気満々なんやな。
俺も帰る準備を適当にして皆で部屋を後にした。
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