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遥
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それから半年。
母親は、3日に一回くらいしか帰って来なくなった。
そして、薄々気づいていたのだが、とわの体にはあちこちに打撲痕が。
あぁ、こいつも…ね?
だけど、俺の意識は悠斗にあって、とわを気にする余裕なんてなかった。
しかも余計なことすると母親に何されるかわかったものじゃない。
「お兄ちゃん、僕ね、お兄ちゃん好き」
「はいはい」
「お兄ちゃん、はぁはぁ…お兄…ぅあ、はぁっ、ぁっ」
最近、とわが俺の前で発作を起こすことが増えた。
でもちゃんと対処法知ってるから。
「とわくん、薬飲もうか。大丈夫だから。ね?」
「いやっ…怖い。やだ」
「怖くない。お兄ちゃんだから。大丈夫」
そう言って、震えるとわに薬を含ませる。
あぁ、面倒。
はっきりいって、かなり面倒。
だけど苦しんでいるとわをそのままにも出来ず、
薬を飲ませ、とわが眠りにつくまで頭を撫でてあげる。
なんでこんなに発作が多いのか。
本当なんで?
飲ませる薬も無くなってきたし、
病院につれて行くか。
ってか俺なんでこんなに優しくしてんだよ。
「ただいまーご飯は?」
「ありますよ」
俺はご飯の用意をして、「病院に連れて行きます」
そう言って家をでた。
前みたいに俺が意識を失わなければいいはず。
面倒だと思いながらも先生に事情をはなして、
待合室で待つ。
はぁ、面倒くさい。
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