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144/支倉高志side
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「!?」
俺の言葉に目を見開いた岡本は、すぐに目を伏せてしまう。そして、口を小さく動かした。
「ごめん」
「......俺のこと、嫌いになったか」
「っ!違う!でも、俺はっ......」
途中で言葉を詰まらせる岡本。
日比谷のことがまだ好きだと、そう言われなくてもわかってしまう。
両想いになることを諦めただけで、気持ちは自分の心のなかに留めておく。
岡本がしたのはそういう覚悟だ。
それはきっと、好きであることを止めるよりもずっと辛い。
黙る岡本に、俺は説得するように言う。
「試しにで良いんだ。岡本が嫌になったら、すぐに振ってくれて良い」
「そんなの......そんな酷いこと出来ない」
「問題ない。本当に酷いのは俺だ」
「は......?」
俺がそう言うと、岡本は面を食らったような顔をした。
そんな岡本に、俺は言葉を続ける。
「俺は、日比谷を取られて寂しがっているお前につけ込んでいる。とりあえず付き合って、優しくして、結果的に岡本が俺を好きになれば良いと思っているんだ」
「......」
「だから岡本がまだ日比谷のことを好きでも構わない。俺はお前と一緒にいることが出来れば、それだけで幸せだ」
「......友達のままじゃダメなの?」
「誰よりも近い位置に居たいんだ。お前が日比谷に辛そうな顔で笑うのはもう見たくない。だから、お前があいつらの前で素直に心から笑えるようになるために、俺を利用してくれ」
「......」
「......」
俺の言いたいことを言い切って、しばらく流れる沈黙。それを破ったのは、意外にも岡本の笑い声だった。
「あははっ!何それ......っ」
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