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「やっぱりいないか......」
鈴原の家のインターホンを鳴らしても、返事がない。
ヘトヘトになった身体をドアに預けて、座り込む。
これからどうしよう。
合鍵で入る?でも別れている手前、部屋には入りづらい。
......連絡はつくのだろうか。
そう思い、携帯を出したところで、息を切らしたあいつがやって来た。
「はっ.....はぁっ......ようっ、せんぱいっ」
「鈴原!?」
予想外の展開に驚いて、立ち上がった俺に、鈴原はもたれかかってくる。
汗がびっしょりだ。
「おいっ。なにもそんな急がなくてもっ......」
俺も急いでここに来たつもりだったけど、鈴原の疲労度は異常だった。もともと運動神経が良い鈴原がこんなになるなんて、相当なものだ。
「陽先輩。ごめん」
俺を抱きしめながら、鈴原はそう言う。
そんな短い一言だけでも涙が出てきそうで、なんとか抑えようとして、俺は鈴原の背中に手を回してしがみついた。
「......うん。俺も、ごめん」
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