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夏の章一 青嵐(あおあらし)
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「藍ちゃんも俺と付き合うなんて考えてないと思うよ」
「…呆れて物も言えん。遊命みたいなの、何て言うか知ってるか?」
「節操なし? 尻軽?」
「自分で言うなや。ビッチや」
「英語で言われても分かんねぇよ」
「あはずれ。淫乱」
「分かってないねぇ、可児。高校生の性欲、舐めんなよ」
「おまえなぁ、…さっき言ってたことやって…あれ…」
「何?」
─ゲイの方は心配ないな。
(=男もOK?)
─××(敢えて伏せ字)とエッチしても嫌じゃなかった。
(=可児も大丈夫?)
─俺のこと好きなの?
(=俺も好き?)
そんな言葉を羅列されて、勘違いしない男がいるだろうか?
自分に都合のいい解釈をする男なら、とっくに押し倒してる。
可児は遊命から目を逸らし、緩む口元を手で覆った。
手に伝わる熱で、顔が赤らんでいるのが分かる。
「また、黙りかよ」
「…遊命、普通に誘ってんで?」
「何が?」
やっぱり…と、可児は肩を落とした。
セックスには寛容なくせに、恋愛感情には疎い。
相手が言葉を深読みしたり、駆引きに使ったりするなんて思いもしないのだろう。
「もう、ええわ。何でこんな話になってんねん。主旨がずれてるやん」
「とにかくさ…」
遊命の言葉を遮るように予鈴が鳴った。
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