アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
夏の章二 清明(せいめい)
-
可児はパソコンで自作のプリントを作りながら、時折画面を変えて、母親との会話を思い出していた。
朝、リビングに行くと、既に日出子が朝食をとっていて、可児が挨拶をする間もなく、凄みを効かせて睨んできた。
朝から不機嫌なことは珍しくもないが、その原因が自分にあるとは思いもしなかった。
「あんた、昨日啼かしてたなぁ」
「ん?」
「苛めてたやろ?」
「はぁ?」
「はぁ? ちゃうわ! 声だだ漏れやねんで」
「盗み聞きなんて、きしょいことすんなや」
「そんなことするか、アホ! 聞こえてきたんや」
「にしても、おかんが息子のセックスに、口出しすんのはおかし…でっ!」
バシッと音がするくらい、日出子が早生の頭を叩き落とした。
「何やもぉ~」
「何が『何やもぉ』や。あんた、ちゃんとせなあかんで!」
「ちゃんとしてるやん」
「してないやろ? 検査したか?」
「何の?」
「HIVや」
「………そこまで乱れてへんわ」
日出子は再度、早生の頭を叩き落とした。
「アホ! あんたの性交なんて、どうでもいいわ! 相手の子ぉかて、親御さんがいてんのやろ? 理解して下さいとは言わん。でも、あんたたちの恋愛はリスクがあんの。それを少しでも減らしてやらなあかんやん。分かった?」
正論をぶつけられても、何故だか腑に落ちない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 115