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よん
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あれからちょうど一年経った。
周りの人達は1年経った今も俺のことを心配してる。
皆、俺を1人にしないように心がけているみたいだ。
今日も、「一緒に帰ろう」と誘われたが断った。
俺はあの日と同じように、屋上に向かった。
屋上には1年前とは違い、立ち入り禁止だった。
しかし、開けるやり方はいくらでもある…
「眩しいな…」
屋上にはあの日と変わらず真っ青な空が広がっていた。
「フェンスは作らないんだな…」
かつての海斗と同じように屋上の淵ギリギリに座った。
「高いな…」
足元の景色を見ると思っていたより高い場所にいる事が分かり、少し怖くなった。
だけど、今止める訳にはいかない。
「海斗…」
俺はお前が死んでから自分の気持ちに気づいた。
俺は昔から友達としてお前が好きだった。
だけど、少なからず友達以上の何かの感情があった気は薄々していた。
だけど、気づかないふりをして心の奥底にしまい込んできた。
だけどお前が死んでから1年経って心の整理がついた。
「なぁ海斗…俺の1年越しの返事を聞いてくれ…」
あの日、飛び降りた時海斗はどんな気持ちだったんだろう。
落ちていく最中に海斗が見えた。
「海斗、お前を愛してるんだ…」
海斗は笑って「ありがとう」と言って抱きしめてくれた。
嗚呼、良かった…
たとえ、この海斗が幻想だとしても…
直後に全身に鈍い痛みが走り、視界がブラックアウトした。
Fin♡
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