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挨拶とは
何を話せばいいのだろう。
昨日、一回会っただけだし
そんなに親しくなったわけでも
ない気がしてきた。
こいつ何しに来たんだって
思われたらどうしよう。
え、やっぱやめようかな…
なんて病室の前まで来といて
怖気づいた俺は
しばらくプレイルームの端に座って
彼の病室を見つめていた。
最初は扉の前で
うろうろしていたのだけれど
明らかに怪しいので今に至る。
どうしよう
どうしよう
どうしよう
どうしよう
どうしよう
んー…
ふと昨日の会話を思い出す。
『僕、友達っていなかったから
すごく嬉しいよ!ありがとう!』
そう言った彼の顔は
本当に嬉しそうで。
笑顔にあふれていた。
そして俺は何と言ったか。
『退院してからもまた来るよ!
お見舞いに。』
『俺達、今日から友達だな!』
そうだ、俺が言ったんだ。
友達だって。
もっと話したい、
会いたいって思ったから
これで終わりにしなかったんだ。
じゃあ悩む必要なんてない。
きちんと挨拶をして
また絶対に来るって約束をしなきゃ。
葵が心配しないように。
思い立ったらすぐ行動。
葵の病室の扉を叩いた。
「はーい?どーぞー。」
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