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「え…何、それじゃああの子に本気なの…か?」
先程まで前のめりだった体勢がゆっくりと元の位置に戻っていく
「ああ。」
一言簡潔に伝えれば思いっきり口を開く
「ちなみに、向こうからだよな?」
「そう仕向けた」
口端を上げ態と意地悪く笑ってやれば開いている口に手を当てて気持ち悪い行動をしながら先程笹本が座っていた所に急いでやってくる
「…そうか、そうなのか!良かった〜
やっとお前にも本気の奴が出来たのか!俺は嬉しいよ!!」
顔を歪ませながら俺に抱き付く俊を精一杯の力で押し返すがなかなか剥がす事が出来ない
「おい!やめ「じゃあ!今日はパーティーだな!」」
勝手に慌てて勝手にはしゃぐ相変わらずな奴だ
1人で嬉しそうに笑っている俊の笑い声に紛れて扉が開く音がした
「ただいま〜」
にこやかな顔で帰ってきた笹本を見ると自然と笑顔になる
「あ!先生!ケンカしなかった?」
俺の方へ心配そうにして来る愛しい恋人
「大丈夫だって」
「本当ですか?桐島さん!」
「してないよ!」
その言葉を聞き再び笑顔になる。
それだけで幸せだなと感じるのは相当溺れているのだろう
「じゃあ、作るか」
「俺も手伝います!!」
立ち上がった俊と張り切っている笹本
2人で台所へ向かい何やら楽しそうに話している
そんな後ろ姿を見た俺はある事を確信した
きっと前々から思っていた事なんだろうけど。
最初で最後の恋。俺が初めて本気で恋をした
手離したくないと思う人
自分の普段との変わりように鼻で笑い吸っていたタバコを灰皿に押し潰した
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