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聞かなくても分かる
先生は怒りに狂っている様だった
俺に優しくしてくれていた時とは全くの別人でとんでもない形相で二回、三回と殴っていた
恐怖と言う感情が湧く中、先生に殴られている秋人の顔を見てしまえば割り込んで止めに行かないと
と思わざる終えなかった
「せ、先生ッ!!もう良いから…も、大丈夫だから…」
先生の上着をギュッと握り締めながら走り後ろから背中に抱き着いた
間に割って入る勇気は俺には無く、それしか出来なかった
そんな自分も又情け無さで一杯だった
「…ッた」
俺が止めた事によって落ち着いてくれたのか、その手は止まり握っていた襟を持って勢い良く押した
力加減なんかしていない為秋人はお尻から落ちた
痛そうな音はやはり痛かったのだろう
苦痛の声を上げ顔をしかめる
お尻の痛さだけではなく、口端から出ている血も原因の一つだろう
「今度コイツに近寄ったら次こそ殺してやるよ」
それを脱ぐう秋人に先生はもう一度近付き髪の毛を引っ張りながら告げた
こんな状態だが、敵に回したくないなと心の底から思った
「…はは、怖いっすね。」
少し腫れてしまった目を開きにくそうにして笑っていない声を上げた
「…先生、服…取って来る」
叫び過ぎてガサガサになってしまった声で呟く
座り込んでいる秋人を遠ざけながら走って階段を駆け上がる
扉を開ければさっきの光景が浮かんでしまう
唇を噛み締めながら下着とズボンに足を通す
ベルトは何とか締めれたが、シャツのボタンまでは閉められなかった
手が震えて細かい作業が出来なかったからだ。
机の上に開けてあった教科書を鞄に詰めて直ぐに出て先生の元へ行った
「帰んぞ」
俺の頭を大きな手で撫でてくれる
優しい声が俺の耳に入って来て終わったんだなと確信させてくれる
自然と溢れる泣き声に先生は頭にあった手を肩に置いて寄せてくれる
日頃してくれる行動が今の俺にとってどれだけの救いなのか先生は分かっていないだろう。
そして、秋人を残して俺たちは家を出た
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