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見れば見る程に整った顔立ちだ。
ーーーー チュッ。
引き込まれるかの様に俺は彼の唇に自分のそれを合わせた
リップ音が耳を刺激すれば俺は我に帰る
自分の行動に体温が上がるのを感じた
「あ、えっと…!ほ、本当すみませんでしたっ!!!!」
咄嗟に体を離し俺は一目散にその場を去る
走って走って走って走って自分がした行動を忘れる為にとにかく走った
家に着けば手も洗わずに部屋に入って布団に潜り込む
女性だったらまだしも…いや、駄目だけど
でも、もっと駄目な男性にキ、キスするなんて…
俺は血迷ってしまったのだろう
本当俺何やってんだ!
それにあの人は何も言わなかったけど、きっと…いや、絶対気持ち悪がってるに違いない
見知らぬ男にキスなんてされて今頃変態野郎にキスされて最悪とか思ってるんだろうな…
申し訳なさとしでかしてしまった失態に頭が一杯になり、この際全て無かった事にした方が楽だと考えてしまった。
「駄目だ。早く忘れよう…」
もう会う事はないんだしと、自分に言い聞かせて俺は目を瞑って無理矢理寝ようと頑張った
ーーーーーーーこれが俺の忘れられない休日の半日だ
間違っても誰にも言えない
やっぱり忘れられる筈もなく、思い出すだけで顔が熱くなってしまう。
高校二年になった春。
俺はまだあの公園に行っていない
あの日から毎朝俺は唇のあの柔らかい感触を忘れられない
自分でも気持ち悪いとは思う。
もちろん、俺はゲイなんかじゃない!
ちなみに、俺は男子校なのだが俺はソッチではない!
何回も言おう。俺はゲイではない!
しかし、洗面台に立てば俺の顔が鏡に映るわけで
どうしても唇へと目がいってしまう
自分の手で自分の唇をなぞる
ハァ。やってしまったんだな、俺…
今更後悔しても遅いのは百も承知だ
「……早く着替えよ」
部屋へと戻り身支度を済ませ、朝食を食べる暇もなく家を出た
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