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18歳以上ですか?
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さて。
早速だが、その日のうちにちょっとした事件が起こった。
夜――。
大佐の部屋で仲良く夕食を終えた2人は就寝までの時間をお互い干渉することなく好きなことをして過ごしていたが、そのうちに王子様が「ふあぁあ」と大きなあくびをしはじめた。
それに気が付いた大佐は読書をやめて顔を上げる。
「どうした。そろそろ寝るか?」
「うん、もう眠い」
「よし、じゃあベッドに行こうか」
安楽椅子から立ち上がると、ソファーに寝ころがっていた王子様の手をとった。
すると……。
「ねえ、いっしょに寝るの?」
当然そのつもりだった大佐は、王子様の言葉にハッとした。小さくなったリオには何か思うところがあるのだろうか?
「君が嫌でなければ。どうして?」
「だって、僕ひとりで寝られるよ?」
そう言った王子様は得意げに鼻を膨らませていた。
「もう10歳だもん。甘えん坊だって、父上に笑われちゃう」
大佐は笑った。
「そうかね。だけど寂しくないかい?」
「ちっとも! 夜のおしっこだって一人でできるんだから」
この時期の子供特有の自立心とちょっとした見栄からか、王子様は「どうしても」と言ってきかなかった。
まるでそれこそが一人前の男であるとでもいうような大げさな物言いに苦笑しつつも、大佐はそれを叶えてやることにした。
いつも隣で寝ていたので正直いってこちらが寂しかったのだが、万が一自分が寝ている間につぶしてしまっては可哀想だし、無理強いする事でもないのだ。
*****
自分の部屋と扉一枚でつながる少年の部屋に案内すると、ベッドに寝かせて毛布をかけてやる。
「本当に一人で大丈夫か?」
「大丈夫に決まってる」
「ふふふ。じゃあ、おやすみ」
「あ、待って! 灯りはちょっとだけつけておいて」
「これくらいか?」
「うん......いいよ。おやすみ、ソウゲツ」
「何かあったら隣の部屋にいるから、すぐに呼びなさい」
少年に手を振ると、大佐は自分の部屋へと戻っていった。
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