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・・・・・
心の準備ができていなかった王子様は、突然のなりゆきにびっくりしてしまった。
心臓がドクンと跳ね上がる。
「ん......」
接眼部分に添えた手が震えている。
真っ赤になって息を呑み込んだ。
やがて大佐は唇を一文字に引き締めると、静かに少年から顔を離した。
「たまに我慢ができなくなるんだ。君を見ていると。すまない......」
そう言って詫びると、再び火星が見えるように王子を前に向かせようとした。
けれど、少年は動かなかった。
「ソウ、いやだ」
「王子様」
「僕、あなたのこと見てる! ソウゲツには僕がいる!」
叫んだ声は、冷たい夜の空気の中に凛とした強さで響いていった。
夜空の星たちは相変わらずチラチラと瞬きながら、抱きあう二人の姿を祝福しているようだった――。
*****
その後――。
部屋に戻るまでの道すがら、王子様は当然のように「抱っこ」をねだった。
「おかしいな。もう10歳になったんじゃなかったのか?」
呆れ顔で言いながらも、大佐は行きと同じようにポンポンと背中を叩きながら抱き上げてくれた。
王子様は嬉しそうに大佐の肩に頬をうずめる。
やっぱりドキドキしてしまう。
でも、大丈夫。
僕、この人のことが好き。
もう心の準備はできているから......。
*****
大佐が寝支度を整えてベッドに入ると、先にそこに寝そべっていた王子様の子供特有の体温が伝わってきた。
それを心地よく思いながら枕元の灯りを一段落とすと、王子様が隣でキュッと身を縮めたのが分かった。
「暗いか?」
王子様は首を振った。
「ううん、大丈夫」
「うん、じゃあお休み」
「......」
大佐は目を閉じた。
すると。
「ねえ」
「何だい?」
「ううん......」
歯切れの悪い少年の様子。
大佐は顔を覗きこんだ。
「どうした。おしっこか?」
「違う!」
「?」
「ちゅー......」
「......キス?」
「ん......!」
王子様は真っ赤な顔をして頷いた。
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