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【終章】19
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「......ぁ」
頬っぺが火のように熱くなる。
ああ、いよいよあなたがこれを見てしまうんだ。
不安と期待が一気に頭に膨らんできて、僕は思わず両手で顔を覆った。
「お願い。僕のこと嫌いにならないで」
震えるように漏らした僕の声に、あなたはいったん手を止めて頷いた。
「約束する」
「覚悟して……すごくヘンだから……それでもいいの?」
「リオ。君が風呂場で勝負に勝った時、私に何をお願いしたか覚えてる?」
「ん......」
(もっと触らせて......)
あの時、僕は確かにそう願っていた。
「私も全く同じ気持ちだ。君が欲しい。もう、ずっと前から──」
そう言うとあなたは僕の下着から手を離して前かがみになり、そっと唇にキスしてくれた。
そのままゆっくりと身体を起こしてこちらに背を向けると、みずから帯の結び目を解きはじめる。
「あ......」
ハラハラとほどけていく黒い帯......。
それが闇に消える頃には、あなたは藍色のユカタを次々と四肢から脱ぎ捨てて、最後には何のためらいもなく全裸になった。
「ソウゲツ……」
間接照明に浮かぶ日に焼けたあなたの背中は言うまでもなく逞しく、すでに微細な粒子をまとって薄く湿り気を帯びていた。
こうして見るとあなたを包む筋肉のひとつひとつに意味があり、生命として躍動していることがよく分かる。
「(生きてる……!)」
あなたが再び僕と向き合うまで、どれくらいだろう。
その間、僕はずっとあなたのことを見つめていた。
ああ、きれい......。
身体を見るのは決して初めてじゃないのに、こんなにも近くにいるあなたの存在を恋しく思うのは「触れたい」という気持ちの先に何かもっと根本的な欲求があるからだろうか。
分からないけど、僕を「欲しい」と言うあなたなら、きっとその答えを教えてくれる──。
──あなたはゆっくりと僕の方に身体を戻した。
抱き締めてほしい、そうお願いしようと僕が口を開きかけたまさにその時......。
「わ......っ!」
目に入ってきたあまりにすごい光景に、僕はたちまち言葉を失ってしまった──。
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