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「なんとダントツの投票数!!354票、一年の篠宮悠里!!!」
えっ?!ほ、ほ、ほんとに優勝しちゃった!!!!
しかも、354票なんて…信じられない。
「ハハ、本人も唖然としてますね〜!はやく前にでてくだはい!」
「わっ!あ、す、すいません!」
「いや〜先輩方を抑えて、ダントツ一位ですが、気分はいかがでしょうか!!!」
「あ、えっと、ちょっと信じられなくてびっくりしてます…」
「超新星が現れたって感じですねぇ〜!これは、青春学園の女王様!と言っても過言ではないと思います!!」
「そんな、女王様だなんて!大袈裟すぎます…!たまたまの結果です!」
だいたい僕なんて女王様っていうキャラでもないだろう。
そんな気高さは残念ながら持ち合わせていない。
「この結果がたまたまなわけないですよ!!お姫様というにはちょっと小悪魔な感じなので、やはり女王様ですね!!」
「ええ…」
「旅行券がプレゼントされますが、誰かと行く予定はもう決めているんですか?」
「い、いえ…。今回僕の服とか、メイクとかをしてくれた人に贈ろうかと思っています!」
「そうなんですか!ご自身はいかないんですか?」
「えっと、あれって一人分のじゃないんですか…?」
「いえいえ!今回の旅行券は超豪華、四名様までご利用可能です!!」
「えぇっ!し、知らなかったです…!!」
よ、四人分…。みんなで行こうとすると六人分必要だけど…。まあでも、二人分くらい割り勘したって大した額にならないよね!!
「じゃあそのお友達とぜひ行ってくださいね!!」
「は、はい!ありがとうございます!!」
「えぇ〜、最後に一つお聞きしたいことがありまして。投票用紙のコメント欄に一番多かったのが、『現在恋人はいるのか』という質問だったんですが…ズバリ!どうなんですか?!」
こっ恋人?!いないいない、いるわけないって…。
「い、いえ、そんな…恋人なんて、いないです!というか、僕にはもったいないですし…」
「ええっ、そんなことないですよ!じゃあ、好きな人はいるんですか?」
好きな人…って、違う違う!ふと恭哉くんの顔が思い浮かんでしまったけど、恭哉くんはそういうのじゃないってば…!!
「い、いません!!」
「女王に見合う人はなかなかいない、ということですね〜!いつか王子様が現れるのでしょうか!!」
「は、はぁ…」
「それでは時間も迫ってまいりましたので!来年も期待していますね!」
「ら、来年?!」
「それではこれを持ちまして、バレンタインイベントを終了します!皆さんさようなら〜!」
ら、ら、ら、来年…!!そうか、そうだよな、これ毎年あってるんだもんな…。また那智くんとミチルくんあたりに出ろって言われそうだけど…。
ま、まあ、先のことは今考えてもしょうがない…よね!
閉じていく幕の隙間から見えたみんなは、いつもみたいに笑ってくれていた。
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