アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
彼らという集団は 1
-
「どーすんのこれ」
「那智ちゃんが外まで追いかけてくっからこんなことなんのよ~」
「俺のせいかよっ!」
ついミチルを追いかけていたのがヒートアップして、外まで出てきてしまったがために、非常に面倒なことになってしまった。
俺らを囲むのは、学ランを着た厳つい男達十数名。北高のやつらだ。
河川敷で走り回っていた俺らは、前からゾロゾロとこいつらがやってくるのを見て足を止めた。
ーーーーーー
「よォ~相沢と高畑か。相変わらず馬鹿みてェなことしてんな、お前ら」
「そんなに元気有り余ってンなら俺らの相手してくれんだろォ?」
「え~悪いけど俺、可愛い子からの誘いしか乗らないから~。何億積まれてもテメェみたいなブサイクなんかお断りだって~。なぁ那智?」
「クハッ!そりゃそーだ。こんなキショイ面見せられたら息子が死んじまうな、ミチル」
「ア゙ァン゛?ちょっと顔がいいからって調子のってンじゃねェぞテメエらァ!!」
「ちょっと、じゃなくて最上級の顔面だっつ~の」
「お前はちょっと悪いくらいじゃあ済まねえけどな」
「ッザけやがってェェエエェェェェエエェエェエエエエ」
ーーーーーー
と、まあ、こんな感じで俺らが煽っちまったのは事実だ。
けど仕方なくねぇ?コイツ、超ウゼェんだもん。
怒った顔もブサイクだな。えーっと、名前なんだったっけ?田中?山田?
たぶんそんな感じのありきたり名字だったと思うんだけど。
あの後、田中達は今すぐにでも喧嘩を始めそうだった。けど、それはだめだ。この時間のこの道は、小学生たちの通学路だ。チビを巻き込む訳にはいかねぇ。
だからとりあえず、俺はミチルの腕を握って走り出した。何回も道を曲がって、人気のない空き地にたどりつく。
ここまで来れば大丈夫か。
「俺那智ちゃんのそういう優しさ好きよ〜。惚れちゃいそう」
「ウッセェよ」
何を言わずとも、ミチルは俺がここまで走ってきた理由を分かっているらしい。
バレてるとは思わなんだ。なんか恥ずかしいっつうか、ムカムカしてキショかったから、一発頭殴っといた。
「ハァッハァッ…やっ、と、追いついた…っ」
「おっせぇな〜。待ちくたびれたっつうの」
「年じゃね?オッサン」
田中は三年だ。俺らより二つ上だけど、風貌は二十くらい上に見えるほど酷い。
何より頭がな…。
「オッサンじゃねぇよ!!!センパイだろーが!!!」
「センパイ、、俺らその頭は見習いたくねっす。なあ那智」
「ああ…流石にあと二年で禿げちまったら俺…人生終わりだ…」
「テメェらまじブッ殺すぞ?!これはスキンヘッドだ!!!オシャレなんだよ!!!」
「薄いの誤魔化して剃った癖によくいうよな」
「見栄張ってたいんだろ、なんせまだ田中も一応思春期だからな」
「思春期…グフッ…ククク…」
「いい加減にしろォォオオ俺は田中じゃねェエエェエ!!!」
叫びながら田中は俺らに突進してきた。闘牛かよ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 102