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2-23 はじめてのお茶会
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念願の、歓迎お茶会の日がやってきた。
のむちゃんに、「会長親衛隊の隊長さんは相当こわいひとだから近づいちゃダメだよ」、と言われたけれど、隊長さんなんていう偉いひとが僕に構うはずもないし。
僕はピアノの持ち主をさりげなく聞いて、さりげなくそのひとに近づいて、さりげなく約束を取り付けよう。
ちなみに、そのときのむちゃんに親衛隊室のピアノの話をしてみたけれど、収穫はなかった。
「匠ちゃんごめんね、僕、音楽については疎いの…あ!でも軽音部部長は実は受けでね!そんで」
「あ、ウン。大丈夫~。ありがとお」
「匠ちゃん!たまには最後まで聞いて!ていうかお茶会でおもしろそうなことあったら教えてね!」
そんな感じ。軽音部部長の恋模様なんて、音楽の話とは全くの無関係だよ!
「わあ…」
「園田会長親衛隊へようこそ」
部屋にはたくさんのきれいなお花、
繊細な色のティーカップ、
高そうなスピーカーから聞こえる優雅なバイオリンの音色、
おいしそうなお菓子、
かわいらしい先輩がた!
そして、つやりと光るピアノ!
「ね、すてきでしょう」
「あ、歩先ぱい…とてもすてきです、すごいです、あぁ僕、天国にいるみたいぃ…」
「ふふ、匠ちゃんったらおおげさ!でもいいよ、僕が天国連れてってあげよーか?」
「へ」
いきなり歩先ぱいの声が低くなって、びっくりしてぱちくりしてたら「じょーだんだよ」と笑われた。
「歩、いま半分本気だったでしょう」
「近づいたらあぶないよ匠ちゃん、この子狼だから」
「あら!何言ってるのかな君たち!こんな子羊つかまえて!」
近くにいた先輩がふたり、きゃあきゃあ話に入ってきた。同じ顔してる、双子さんだ!
「歩が羊なんてありえないよ」
「羊って匠ちゃんみたいな子のこと言うんだよ、ねー?匠ちゃん」
「え、ひつじ?ですか?」
「ふふふ、とにかく座ろ、ねー」
いきなり話をふられてハテナが飛んだけど、歩先ぱいたちに連れられソファに座る。
部屋にはたくさんソファ席があって、ここまで一緒に来た潤ちゃんはちがうグループに入れられたので、
「またあとでね」という意味をこめて手を振った。
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