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次の日ゆきはやっぱり寝坊をした
結局会社につくのも始業時間の五分前になってしまった
別に遅れた訳では無いがこれからは八嶋くんをあまりいじれなくなりそうだ
「そういえば部長ってゆきと二人暮らしなんすよね?」
ゆきが転がり込んできて1ヶ月半、
八嶋はその事は知っていたが自分から話を振ってくることは初めてだった
しかも業務時間中に
「そうだよ
というよりゆきが私の家に居候している、と言うのが正しいと思うよ」
「…それもそっすね
でもなんで了承したんすか?
俺が言うのもアレっすけど部長ゆきとは飲み会の時まで話したこともなかったんすよね?」
「まぁ、八嶋くんがあの飲み会にゆきを連れてこなかったら私は存在すら未だ知らなかっただろうね」
部署もフロアも違う
歳も離れている
そんな2人が話す機会なんてそうそうはない
「っすよねー
でも俺が気になるのはそっからなんすよ」
「そっから、とは?」
「確かに2人は飲み会で仲良くなったみたいっすけど出会って半年もたってないのに居候って形でも家に泊めますかねー?
そこが俺は不思議なんすよー」
確かに言われてみればそうかもしれない
「うーん、でも割とその前から休日は私の家に入り浸っていたし酷い時は平日でも私の家に居たからなぁ
特に違和感なく受け入れてしまったよ」
「んー、ゆきもそういう緩いとこあるっすからねー」
「でもなー、そーゆーもんすかねー」と八嶋は最後まで納得しきった様子ではなかった
「ほらほら、仕事に戻るよ
まだ何かあるなら後で聞くから」
「うぃーっす」
突然どうしたのだろうか
八嶋は喋り方はアレだが中身は真面目なやつだ
業務時間中に関係ない話をペラペラするようなやつではない
余程何か気になる事があったのか……
まぁ、たまにはそういう事もあるか……
しかしこの日のモヤモヤは特に錘となることなく胸の底へ落ちていった
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