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「亮ちゃん!お誕生日おめでと……ってあれ…?お友達???」
朝香さんはドアから出てきた俺を亮と間違えて抱きつこうとすると、俺に気づいてきょとんと首を傾げた。
ていうか、誕生日……って????
「お友達来てたのねぇ〜!あたし青桐朝香っていうの〜!よろしくね!あなたはー?」
「あ……佐藤海月って言います……」
「佐藤くんねー!よろしくう〜!」
明るくて俺にも興味津々と言ったようにものすごくフレンドリーに話しかけてくるし、なんだか距離感が近いというかなんというか……顔……ちっか……めっちゃ可愛い……
それにこの前の浴衣姿とはまた違って、オフショルダーデザインのピンクでフリルのついたワンピースを着てて、髪型も黒くて艶のある長い髪をおろしてくるくる巻いてあって……この前とはガラッと違う印象で可愛い感じなのにどこか色っぽさがある。
ていうか香水…かな?甘くて、女の子の匂い……すんごいいい匂いする……
「ところで亮ちゃんはー?」
「亮なら寝室で寝てますよ」
朝香さんは履いてた高いヒールを上品に脱ぎ揃えると部屋の中へ入っていった。
「亮ちゃん?寝てるの?」
「朝香?」
俺も寝室に向かうと、亮と朝香さんのお似合いの2人が揃って、なんだかいたたまれない気分になってしまう。
「何しに来たんだよ」
「なによ!今日亮ちゃん、お誕生日でしょ?お祝いに来てあげたんじゃない!」
誕生日……???さっきも言ってたけど、今日亮、誕生日なの……???
知らなかった……
「…って、熱あるじゃない!ごはん食べたの?あたしなんか作ろうか?」
「っせぇよ……食ったからいい。もう治るから帰れ」
「ひどーい!亮ちゃんの誕生日はあたしにとって大切な日なのー!ね?そうだ!あたしがちゃんと看病してあげるから今晩泊まっていいでしょ?」
ちょ……朝香さん俺がここにいること忘れてない?
その言い方……俺の看病じゃ足りないと言われてるような気がして、傷つく。
ていうか、亮は朝香さんのこと幼なじみって言ってたけど朝香さん…さっきから亮にやけにスキンシップ激しい気がするんだけど……それに泊まる……って、一人暮らしの男の家に女一人で泊まれるような関係なのかよ……
今のうちに帰ろう……
亮にあとで誕生日おめでとうってLINEしとこ……
「クラゲ!帰んな!」
そろそろと部屋を出ようとした俺を亮が引き止めた。
「いや…ハハ…俺お邪魔みたいだし?朝香さんいるんだからもう大丈夫でしょ?」
「邪魔じゃねぇ!ダメだ!帰んな!」
その時、俺の中の何かがプツンと切れた……
「うっせーな!!俺じゃ役にたたねぇし別に俺じゃなくて彼女に看病してもらえばいいじゃねーかよ!!」
と言い叫んで俺は亮の家を出ていった。
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