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というわけで放課後俺たちは時雨の洋菓子店に来ていた。
「お待たせ。シャルロットポワールだよ!」
「ぽわーる?」
「ポワールはフランス語で梨のことだよみーちゃん!」
時雨に聞いたのに弓弦がサッと答えた。そうだ、弓弦頭いいんだった……でもフランス語まで知ってるとは……
「旬だからね!10月から店頭に並ぶ予定なんだ!さ、食べて食べて!」
わくわくしながらシャルロットポワールを口に入れた。
広がる洋梨の風味と、バニラの甘い香り、ただのケーキのように思えるがなんだか深みがある……!
「 「おいしい……!!!!!」 」
二人揃って声を上げれば時雨は嬉しそうに笑った。
「あー俺女に生まれてしーちゃんと結婚したかったなー」
食べ終えて満足そうな弓弦がそんなことを言い出した。
「えー??」
「だって、しーちゃんと結婚すればこーんなおいしいの毎日食べられるんだよー??」
時雨も俺も苦笑いだけど、確かに……
「みーちゃんもそう思うでしょー?」
「ちょっと羨ましいかもなー…なんてね!」
時雨のお菓子は本当に美味い。結婚した女の人は独り占め出来るのか〜、なーんて。
その時、時雨の顔がほんのり赤くなっていたことに、俺はまだ気づかずにいた。
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