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「おはよ、士郎」
「うわ、何だよ、谷口お前か」
家の前で待っていたのは谷口学。
名前とは違って全然勉強はできないし、ピアスしてるしいい加減なやつだ。
でも気さくで話しやすい。
こいつとなら普通に親友って思うことができるんだけどな。
「なんだよーつれないじゃん。」
登校途中、横に並んで歩きながらの会話。
久しぶりだなこういうの。
少し浮き足立っていたとは思う。
「お前彼女はどうしたんだよ。」
「ああ、あいつとは喧嘩中。今は顔も見たくない。」
うげ、と顔をしかめる谷口。
不思議なもので谷口と彼女はこうして何度も喧嘩をしているが、別れたりはせずに2年も続いているらしい。
「だから俺のとこ来たのか。」
「うん。士郎の隣が一番いやすいからな。」
ニカッと笑うそいつ。
「そうか?」
ぶっきらぼうにしか返せない俺。
だっててれるだろ。
こういうの。
「あはっはは、士郎かお真っ赤〜」
「うわっ、最悪。谷口、からかうなよ」
「悪い悪い、そういや士郎って俺の名前名字呼びだよな。」
「え?、うん、なんだよ、いきなり」
「そろそろ俺も名前呼びにしてくれよ。なんだか距離があるみたいでやだからさ。」
そういえば谷口は俺を名前で呼ぶのに対し、俺は名字呼びだ。
今まで気にしたことはなかったけど、確かにこの呼び方だと距離があるかも。
・・・・・隆貴も名前呼び出しね。
そう思った。
「そうだな、学。」
戸惑うことなく呼んで見る。
「おっ、以外にもすんなり呼んでくれた、意外〜、もっと照れるかと思ったのに。ちえ〜」
「男同士の名前呼びで照れるかっつーの」
校門を歩いていると隆貴がいる。
どうしたんだろう?
この時間あいつはもうとっくに教室についてるのに
誰か待ってんのかな。
「あれ、水俣じゃね、」
谷じゃなかった、学も気づいたみたい。
「ギャラリー連れてねーの珍しいな。」
「そうだね。」
すると、隆貴がこっちに気づいた。
俺は忙しく脈打つ胸を抑えつつ、ひらひらと手を振ってみた。
あれ、振り返さない。
しかも、こっちにズカズカやってくる。
ん?なんか怒ってる。
「隆貴おは「士郎」は、え?なに」
遮られた。
なんか声低かった。
「・・・・・・何してるの」
「谷、じゃなくて、学と話してただけだよ。」
「・・・・学?」
ピクリと隆貴のまゆが動いた。
「何だ何だ?知らなかったのかよ、俺の下の名前。」
「別に、知ってたけど」
「?」
知ってたのになんで言い返したんだろ。
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