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「え〜っとねぇ〜」
立ち上がった綾を見て、俺は一緒に行くんだとてっきり思った。
でも実際に見たのは、全く別のもの。
巻きついた腕を振り払い、女子達を見下ろす。その目は笑ってなくて、冷たい氷の様。
「化粧濃いブスとは行きたくないかなぁ〜」
「………へ?」
「………え?」
「香水キツいし無理やり胸押し当てられても嬉しくないし、そういうの止めて欲しいなー」
女子達と俺の目は驚愕に満ちているだろう。こんな綾、見た事が無い。
「だからさ、その香水の匂いつく前に失せてくんない?」
「なっ………い、行こっ」
「何よ、ふんっ」
女子達は我に返ると、そそくさと退散していった。綾がこちらを振り返り、首を傾げる。
「?瑞貴〜どうしたの?」
「……綾、怖い」
「へっ?嘘ー俺何もしてないよ?別に本音言っただけなのに」
「その本音の伝え方まじで怖かったんだけど……」
まだ、俺にも知らない綾の姿があったという訳だ。
「大丈夫、瑞貴にはこんな事しないから」
「いやされたらもう俺生きていけない気がする」
「なんで?」
突然身を乗り出して聞いてくる綾。その真剣な目に少しドキッとして。
「えっ、いや、俺綾しか友達いないから」
「……ほんとにそれだけ?」
他に他意なんて無い。なのに、何故か喉に引っかかる何かがあって。
ほんの少しで、出そうだけど出てこない。綾は、何を期待してるのだろう。
俺は、何を言おうとしてるのだろう。
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