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趣味並べside吉岡尋海
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「はい。読んだからどうぞ」
「あっありがとう………てか読むの早いな………」
旭は昨日読んでいた本を俺に渡してきた。こんなに早く貸してくれるとは思ってなかったのでちょっと驚いてる。
数日かかると思って油断していたが、見事に打ち砕かれた。
旭はちょっと照れたようにはにかむ。
「読むのだけは得意なんだ。速読とまではいかないけどね」
「そうなのか」
しかし想像より分厚い………。手にずっしりくる重みで気分も降下していく。
活字人間ではない俺は果たして読破することができるんだろうか?
断言はできない。読むからには徹底的に尽力を尽くすつもりだが、結果につながるとは限らなかった。いくら頑張っても人間は空を飛べないように俺も文字を読み取れないかもしれない。そうなればどうすることもできないだろう。
教科書すらまともに読めないというのに。レベルが上がりすぎだ。まずは絵本でならしておくべきだったか。
「読み終わったら、いっぱいお話ししようね」
「おっおう!」
うんうん唸る俺の耳に、甘い誘惑が吹きかけられる。一気にやる気が出た。我ながら単純な奴だと思う。
旭とお喋り。旭といっぱいお話………!
理想の未来を想像するだけでなんだって成し遂げられそうな気がした。
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