アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ラストアップside旭秀治
-
お母さん、お父さん。
貴方の息子は今世紀最大の緊張感を現在進行形で味わっています。
大きな時計台の下で一人佇み、無駄に全身をがちがちに強張らせて早20分。もう僕は正直疲れてきていた。
極度のプレッシャーが心臓を叩きまくってるせいで、立っているのもやっとな境遇のせいで足ががくがくしてる。でも嫌じゃないんだよね不思議と。
新しい酸素を取り入れるために大きく息を吸ったところで、前方から綺麗な金髪が走ってきているのが確認できたので、思わず息を途中で止めてしまった。
「あっ旭!」
大きな声をださなくても聞こえるよ。僕の前まで来て肩で息をしている吉岡君にぎこちなくほほ笑んでみえた。
「おはよう吉岡君。ん、もうおはようじゃないかな………」
時刻は12時を過ぎた頃。待ち合わせは12時ちょうどだったので別に吉岡君が遅かったわけじゃない。
僕が張り切りすぎて朝目が覚めるのが速かっただけなんだ。なのに吉岡君は凄く罪悪感を顔に浮かべて、子犬のようなあどけない瞳を不安げに細めた。
「まっ待ったか………?」
「うっううん!全然待ってないよ!?本当だよ!?20分も待ってないんだから!」
「にっ20分も待たせたのか………ごめん………」
「まったく気にしてないよ?本当だよ?」
「今度は俺が早く来るな。1時間ぐらい早く来る」
「早く来すぎだよそれ………」
さりげなく今度があるってことを教えてくれて、すごくドキッてしてしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
76 / 84