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運命の席替えside吉岡尋海
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喉仏が上下する。やばい本気で胸が苦しい。知らないうちに息まで止まっていたらしい。息苦しさを感じて意識をして酸素を吸い込んだ。しぬところだった。
とっとりあえずお隣同士になったんだから、挨拶の一つや二つしてもいいだろう。こっこれは礼儀としてだからな!別にこいつと話したいとかそんなんじゃねーんだからな!
決意を固めて脳内でシミュレーションをする。まずはポピュラーなのからいこう。「一か月よろしくな」「うん、よろしく」まだまだ物足りない気がするが、初めの会話としてはこんなもんだろ。
よしいくか!気合を入れて体をそっちに向けると、彼がこっちを見つめていた。ぐっと息が詰まる。
不意打ちだそんなの!ずるいぞ!せっかく組み立てたシミュレーションが一瞬で崩壊していった。
「何見てんだよ」
ちっちげえ!俺はこんな低い声だすつもりじゃ…!喧嘩売ってるみたいな言葉吐き出すつもりもなかったし!
飛び出した言葉はもう飲み込むことはできない。しょっぱなからやっちまった…。
目つきやべえことになってんだろうなー。でも眠いだけだから睨んでるつもりはねえんだけど…。あっちからしたら睨まれてるのと同じなんだろうな。あー!取り返しのつかないことを!
第一印象の大切さを知っている分この失態は辛い。
「ごごっごめん…」
案の定彼は怯えてまた読書に戻ってしまった。あーやっちまった…消えてなくなりたい…。しょぼんっと肩を落として落ち込む。もう今日はこっちを向いてくれないだろう。
一目ぼれってやつなのかこれは。どうなんだ?どうすればいいんだ俺は!
とりあえずこの気持ちに名前を付けることから始めようか。
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