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菊池の車内①
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菊池が運転席に乗りこんだ。
優馬は助手席か後ろに乗るべきか悩んでいたら、助手席のウィンドウが開かれた。
「前に来なさい」
「…でも…」
優馬は一歩下がり、不安げな表情を見せた。
それを見て菊池はふっ、と表情を緩ませた。
「信用がないな私も。何もしないから」
優馬はおずおずと助手席に座りシートベルトを締めた。
「…たぶんな」
「!!」
菊池の付け足した言葉に優馬は即座にベルトを外そうとしたが、「冗談だ」と和やかに笑う菊池を見て動きを止めた。
先生ってこんな顔もするんだ…
まじまじと見ていると、それに気づいた菊池がポンと頭に手を乗せ優馬を撫でた。
「可愛いな。帰したくなくなる」
優馬は耳が赤くなり、鼓動が高鳴るのを感じた。
が、その思いもすぐ打ち消して唇を噛みしめた。
誰にでも言っているに決まってる。
優馬は顔を背けて菊池の手を避けた。
菊池は前に向き直り車を発車させたが、優馬はそれ以降ずっと菊池と目を合わせようとしなかった。
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