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身体中に鋭い痛みを感じて目を開けた。
「よお、目ェ覚めたか?」
「.........っ......」
痛みを我慢しながら声がした方に顔を向けると田原がニヤニヤと不気味に笑っているのが見えた。
...たしか殴られて、それで気を失ったんだ。
「...うっ...いたっ...あ、れ...?」
横になった体を動かそうとして手足が縛られてる事に気付いた。
血の気が引いていく。
「...ははは、もしかしたら藤吉来ねぇかもな。残念だったなぁ、初めてのお友達に見捨てられて」
「.....................」
「所詮お前はアイツの暇潰しの玩具だって事だな」
顔を伏せる。
少し体が震えてる気がする。
痛みで鈍くなった思考回路が田原の言った事を否定する言葉を思い付いてくれなかった。
それに藤吉君は男に興味があったから俺に話しかけただけで...俺自身には興味があるわけじゃないんだ。
あの笑顔だって......
「あーあ、コイツ虐めててもつまんねぇわ。...電話で助けでも求めさせるか?」
「おー、いいねぇ」
「せっかく先公脅して番号手に入れたんだ。使わねーとなぁ」
笑い声が反響する。
田原はスマホを取り出して何か操作してからそれを俺の耳に押し当てた。
「ほらよ。アイツが電話に出たら泣き喚いて助け乞えよ?」
「.....................」
頷く気力もなかった。
「まっ、あの薄情野郎が来るかわかんねぇけどな」
電話を掛けてる音がしばらく鳴り続けてからプツンと途切れた。
「おっ、出たか」
田原が電話の音を聞こうと近付いて座った。
『____............』
電話の向こうは無言のまま。
どうせ助けに来ない気がした。
...そんな気がしたけど俺の喉は勝手に震えて無意識に口を開いた。
「...............藤......吉、君」
静かに名前を呼んだ。
『________ここに居る』
電話越しに低い声が聞こえた。
途端、背後で凄まじい爆音が響く。
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